■工事面積/1階:67.22㎡(20.33坪)、2階:34.78㎡(10.52坪)、延床面積:102.00㎡(30.85坪) ■築年数/54年 ■家族構成/夫婦 ■工期/90日
家族の変化に合わせ間取りの見直し
ご両親を見送り、夫婦二人だけの生活になったのを機にリフォームを計画されたS様。家族が多く来客が多かった頃は、LDKと和室2間をつなげて大広間にできた間取りは重宝しましたが、現在は必要がなくなっていました。壁が少ない建物は耐震面からも不安がありました。また部屋数が多い家は年をとると管理が大変になるため、4LDKから2LDK・趣味室に間取りをコンパクトにまとめ、北側にあったトイレも明るく、暖かな南側へ移動歳をとっても快適に住めるようリフォームをすることにしました。
第一に耐震補強。以前の建物は壁が北側にしかなく、南側は全面窓という個性的なデザイン。日当たりは最高でしたが、強い風が吹くだけで窓は音を立て、建物は揺れ、耐震面では不安がありました。「それほど傷んでいると思っていなかった構造部分も、柱は数本しか使えるものがなく、基礎も割れていたり…。今回、徹底して耐震補強ができたので良かったです」とご主人は安心したと話します。
畳まないので変な折り目がつかず、家事の手間も削減。
パントリー(収納庫)を設けたキッチンはすっきり片付き、「隠したいものを全部入れられて便利」と奥様も満足そう。
長年、2階で一日のほとんどの時間を過ごしてきましたが、この機に生活の拠点を1階へ移動。奥様が趣味の手芸を楽しむ部屋も玄関横に新設し、創作活動に専念できるようになりました。ご主人は2階で体を鍛えるほかはリビングで過ごすことが多く、相手の気配を感じられる適度な距離感もいいようです。
洗面台が広いので使い勝手が良い。
南側に広い掃き出し窓があるS家では、そちらから出入りすることが多く、「最初、玄関はいらないと思っていたの。でも、家の顔として正面に据えてみるといいね」。廊下は広く、室内の動線も整えました。傾斜が急な階段は段を増やして上り下りしやすく、ドアは軽く開閉できる引き戸へ替えました。
外観は雑誌で見た、青空が似合うアメリカ西海岸の鎧壁の家をイメージ。
いけやさんとは30年近くのお付き合いになります。当初はここまでの全面リフォームは考えていなかったのですが、気になっていた耐震補強を基礎からしっかり施してもらい、これで安心して暮らせると喜んでいます。断熱材も壁、天井、床とすき間なく入れてもらい、暖かく冬が過ごせました。防音性能も高く、とても静かです。